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第31話
次の日、千紘はいつもどおり朝起きて着替えると食堂に向かった。ドアを開けたところで隆也と会い食堂に一緒に向かう。食堂にはすでに沢山の人が食事を始めていた。空いている席に隆也と座り朝食を食べ始めた。
月曜の朝の食堂は少し気だるい雰囲気でみんな休みの日の遊び疲れを引きずっているようだ。隆也も週末は部の遠征で連日、他校のグラウンドで走り回っていたのか早くも腕や顔が日に焼けていた。
「おまえ、もう、腕真っ黒だな。運動部は大変だよな。」
「千紘も何か運動すればいいのに。一緒にサッカーやる?」
「遠慮しとく。俺、運動神経ないんだよね。足も遅いし……」
「千紘は走ったらすぐぜーぜーいってそうだよな。体育でもあんま本気で走ってるのみたことないわ。」
そう言いながら隆也はどんどんパンや卵を口に入れてはもぐもぐしている。最後の一口を口に入れると
「今日も朝練なんだよ。先に行くな。」
あっという間に食べ終えて立ち上がるとトレーを持って行ってしまった。
千紘は隆也を見送りながらマイペースにゆっくりとパンを食べていた。
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