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第36話
「今日は買い物?僕と一緒にお茶してくれるってことは一人かな?」
「はい、一人です。」
僕は甘めにしたソイラテを飲みながら須藤さんの顔を正面からみた。少し長めの前髪は睫毛にかかっていて長い睫毛のそばで揺れている。それが先ほどから色っぽくてつい見つめてしまう。そんな僕を見ていた須藤さんが白い頬をピンク色にしながらにこりと笑い
「さっきからどうしたの?ずっと僕の顔をみて。なんだか照れちゃうんだよね。」
ちょっと困った風に言いながらも顔は笑っている。根っから優しい人なのだろう。
「千紘君はどうしたの?少し元気なさそうだよね。」
須藤はゆっくりとコーヒーを机に置くと長く節くれだった指を机の上へ滑らせてスマホを取り上げた。
「なんだか元気なさそうだったし僕も時間があったから声かけちゃったけどよかったかな?何か悩み事でもあるの?」
手元のスマホを操りながら予定を確認しているのか目線が手元へといく。そして、
心配そうに顔を覗き込んでくると僕の頬にそっと触った。
「時間があるなら慰めてあげようか?」
目を細めながら微笑むと僕の顎を軽く持ち上げて目を合わせた。僕は耳まで真っ赤にしてうなずくと外に出るように促されて須藤さんの後をついて歩いた。
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