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第37話

  コーヒーショップを出ると須藤さんは行き先を特にいうでもなく歩き始めた。千紘はその横を一緒に歩く。大通りに出て少し行くと細い小道を入っていってこじんまりとしたホテルの前に出た。須藤はフロントに向かい受付を済ませると千紘を連れてエレベーターに乗り込み7階まで上がった。部屋の前で鍵をかざして開錠すると千紘を中へいれた。  「千紘君、何か飲み物でも飲む?それともお腹すいた?」  「いえ、大丈夫です。」  「今日は何時まで大丈夫なの?」  「今日は七時までの予定で外出届をだしているのでそれまでに帰りたいです。」  「千紘くんって寮かなにか?」  「高校の寮にいます。」  「とりあえず、シャワー浴びておいで。軽く食べるものいる?」  「食べ物はいいです。シャワー浴びてきますね。」  千紘はバスルームに入り熱いシャワーを浴びた。須藤さんはどういう人なのだろう?既婚者?それとも独身?薬指には指輪はなかったような気がしたけど……千紘はざっと体を洗って出るとバスローブを羽織り髪を拭きながら須藤の所へ戻った。  「でました。須藤さんもどうぞ。」  「飲み物、勝手に頼んだけど好きな方飲んでて。」  そう言いながら須藤もバスルームへとはいっていった。

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