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第41話

 千紘を抱き込みながら熱い湯に浸かっていると先ほどまで寝そうになっていた千紘が目覚めたのか振り返って須藤を睨んできた。  「どうしたの?」  「僕、今日は寮に帰らないといけないんだけど……こんなの腰たたないじゃん……」  「ごめん、ごめん、あまりにも千紘が可愛すぎて。ちゃんと、寮まで送るよ。」  須藤は千紘を抱えたままざっとシャワーを浴びバスタオルでくるりと拭きあげるとソファの上に千紘を座らせた。そして自身も体の水滴を拭い千紘のもとに戻ると冷蔵庫から出した水とオレンジジュースをすすめた。千紘はオレンジジュースの方を受け取り一口飲むとベッドサイドにある時計に目をむけた。今は5時40分。着替えて少しだけ休憩してすぐに寮に向かえば十分間に合う時間だ。  「千紘君、何か軽食でも食べる?」  須藤は部屋にある電話の受話器を持ち上げて千紘の方へ聞いてきた。  「食事は寮で食べなきゃいけないから……。」  千紘がそう言うと須藤はフルーツの盛り合わせとコーヒーを頼んだ。しばらくして運ばれてくると須藤はソファの横の小さな机の上にフルーツとコーヒー、千紘にはカフェオレを並べた。  「小腹がすいてるでしょ?軽く食べて帰ろうよ。これくらいなら夕飯もたべれるでしょ。」 須藤はコーヒーのカップを持ち上げながら千紘にすすめてきた。千紘は進められるが ままにイチゴを一つ摘まんで口の中に入れた。甘酸っぱい味が口の中に広がってとても美味しかった。

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