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第42話

 あれから千紘と須藤は週末ごとにホテルで会い体を重ねる。そして、そろそろ発情期がくる頃、千紘は須藤に自分がオメガであることを言っていないことを思い出した。隠していたわけじゃないがわざわざ伝えることもないかと後回しにしてきた。須藤はどうなんだろう?ごく普通のベータにも見えるが最近はアルファであることをあえて人にさらけ出さないようにしている人も多い。千紘もオメガであることはあえては言わない。  「千紘君、今度の土曜は僕の部屋に来ない?泊まりでも大丈夫だよ。寮って外泊オッケーなの?」  千紘は少し考えながら週末にまだ、発情期がきていなければいいが……外出して戻れなくなっても面倒だし須藤とのこの気楽な関係が壊れそうで嫌だった。須藤は嫌なことはしない。週末に会って優しく抱いてくれて丁寧に扱ってくれる。自分が必要な存在なんだとわからせてくれる。  神津先輩はその後、僕が学校の中で大人しくしているせいか接触してこない。まあ、学年も違うし寮の部屋も離れているし食堂で時間をずらせばそうそう会うこともない。  なんとなくこの生活にも慣れてきて自分から相手を探して寝ることもなくなってきた。 そしていつもはホテルで寝て食事をして帰ってきていたのだが須藤が前々から部屋に来てほしいと言い続けていたので今週末は外泊届をだして土曜日から須藤の部屋を訪れることにしていた。

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