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第4話変わっていく日常ー秀sideー
このまま幸せでいられたなら…。
変わることがなければ、ずっとこのままでいられる。
夜がいつ召集されてしまうのか。そんなことを考えると怖くて、辛くて。
この幸せな日常が変わっていくのが今日かもしれないし、明日かもしれない。
でも、周りが変わっていっているのは、分かっているからその時が来てしまったら何て考えると哀しい気持ちになってきて、だから産まれた時代が違っていたら良かったのにな。
そうすれば、隣に夜がいて笑い合って、僕達は男同士だから子供は出来ないけど、幸せに愛し合えたのかな。そんな人生があったのかな。
今も昔も十分幸せ。でも、幸せは永遠には続かない。いつか終わりが来てしまうんじゃないかって、そんな事考えるのが怖い。
もし、終わりの来ない幸せがあるとしたら、手に入れることはできるかな。
見えないモノにすがり付きたくなる。
そんな事しても何も変わんないって、分かっている。
一緒に何処かに逃げてしまいたい。
誰にも見つからない場所があるのならそこに行きたい。
こんなおかしい世の中なんて終わってしまえばいいのに。そうなれば夜も死なないで済むのに。昔から夜の事しか考えてなくて、他の事は手に付かなくて、それくらいずっと好きだった。他人同士とはいえ、男同士だったから僕は、何回も好きになって良いのかなって悩むことも少なからずあった。
あの告白した日も、引かれるんじゃないか、嫌われるんじゃないかって怖かった。
でも、俺も好きだよって返ってきたときはとても嬉しくて眠れなくて、勇気を出して良かったって思った。ずっと好きだった相手にそう言われる事は何よりも心が暖かくなるんだなって。
夜に、「俺が死んだらどうする?」って聞かれたとき、本当に僕はどうするんだろうって考えた。
いなくなってしまうことなんて考えられなくて、そんな事思っても見なかったから。
「死んだら後を追って死ぬかもしれない」って言ったとき、夜はお前は生き続けろって僕に伝えた。でも、きっと僕は生き続けられないとおもう。だって初めて夜に会ったときから、ずっと夜の事しか考えていなかった僕には夜が生きる全てで、ある意味僕の命みたいなものだから、そんな事出来ない。
何で好きになっちゃったんだろう。
同い年だったら、夜は召集されることもなくて、僕も悲しい想いなんてすることもなくて、幸せでいられたのかもしれないのに。
こんな想いなんて知ることもなかったのに。
神様にねがったって何も変わんないというのなら、夜がもし死んでしまったら僕も死のう。
生涯一緒に連れ添えないし、一緒にいることも出来ないんだから。
だから最後に抱いてもらっているとき、僕の耳にかかる吐息も掴んでくれている腕も、温もりも手放したくないなって余計思ってしまった。
永遠に時が止まればいいのに。
幸せな時のまま変わらなければいいのに。
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