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第3話
春の先立ちをする梅の香りに誘われて来た公園はまだコートがいったな。
手には彼の髪の触感が焼きついている。
どこが跳ねるか、どこにつむじがあるか、疲れていないか、ちょっと欲求不満だったりする?
本当は今すぐにでも彼の全てを手に入れたい。求められ震える身体でお願いと強請らせたい。
常連のお客にシザーカットの途中、滑りそうになった指先にハッとする。
鏡の中の物欲しそうな貌。
夢中になってるのは俺の方?
少し頭を冷まそう。座るベンチの冷たさに彼をまた思い出すしようもない指先。
no.3 honolulu
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