2 / 9
第2話
今日は委員会生徒の顔合わせ日だ。
放送委員は放送室に集合になっている。
顔を知らない相手だが同じ委員同士仲良くして損は無いと、放送室で自己紹介をした。
「僕は1年7組の風早 祐介 」
「同じ日に担当になることもあるだろうし仲良くしようぜ」
「祐介くんよろしくね!」
他の1年のも友好的で、委員会は楽にこなせそうだ。2年の先輩にも同じように自己紹介した。
「あれ?3年の先輩はまだなんですか?」
「3年...シゲ先輩?」
「そうです!」
「まさか祐介、シゲ先輩狙い?」
やはり放送委員になるくらいだからシゲ先輩狙いの二年生かと思ったが全員が眉をひそめて頭を振る。
「お前先輩はやめたほうが身のためだぞ?」
「え?」
「シゲ先輩ちょっと性格俺様なとこあるし。ねぇ?」
「そうそう。祐介くんも会えば気持ち変わるって」
先輩方の意味深な言葉と表情に僕が質問しようとしたその時、ガチャリと重い音をたてて放送室のドアが開いた。
「シゲ先輩!」
「おはようございます!」
二年生が勢いよく頭を下げる。
呆然とする1年。
初めて見たシゲ先輩は僕の思い描く大人な笑みを浮かべる人じゃなくて.....。
「おい、そこの1年!礼儀がなってねぇんじゃねぇか!?」
「え、、、ええええええ!?」
僕の思い浮かべた先輩は生徒手帳の規定そのままの服装でメガネで、頭が良くて、趣味は読書で.....。
だったはずなのに!!!!!
「何が『えええ!?』だ。うるせぇ」
生徒指導まっしぐらの赤に近い髪にだらしない格好。
よくそんな服装でこの進学校に通えるもんだ!
僕の理想はどこへ!?
ともだちにシェアしよう!