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第6話
「はぁ.....」
先週は散々だった。
先輩に命令されて警備で疲れるし、その上昼飯は食われるし。
「やめて、それだけは.....」
放送室のドアに手をかけ僕は止まる。
開けてはいけない雰囲気がどことなく漂っているだろう!?
祐介!今すぐ音をたてずに立ち去るんだ!
「せっかちだね、君は」
中から先輩の声だと断定できる声がした。
誰かとナニかの最中らしい。
これは僕が入っていいもんなんかじゃないぞ.....。
『いやっ!』
「おはようございます!」
先輩の相手と思われる男の嫌がる声に良心の呵責に苛まれた僕は放送室のドアを開けてしまった。
「え?」
開けたら僕には計り知れない情事が繰り広げられていると思っていたが、中には先輩が1人。
『あんっせんぱっ』
「あ、祐介」
そして携帯片手にオナニーをする先輩。
先輩と見つめ合うこと数秒。
「えっ、あっ.....え!?」
『先輩!僕イっちゃっ』
僕が声を発してやっと先輩は携帯の電源を切り、ティッシュで手を拭いた。
「先輩、あのぅすいません」
「見たな」
「いや、あの!誰にも言わないですから!」
「見たな」
ドスのきいた声で迫る先輩に後ずさりしていた僕はついに壁に追い込まれた。
「ええ見ましたよ!でもこんなとこでオナニーしてる先輩がいけないと思うんですけど!!」
「...ふっ」
まくし立てた僕に先輩はクスリと笑う。
それを可愛いとか思っちゃったり。
「あれ見ながら誰のこと考えてオナってたかわかる?」
「はぁ!?そんなの知りたくもありませんよ!」
「教えてあげるよ」
先輩は僕の胸元になだれ込むようにして抱きしめてきた。
「祐介のこーと」
「なっ!!!」
「もう勃っちゃってるの?祐介」
「だああああ!耳元で囁くなぁあああああ!」
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