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天使の涙

しまった、気づかれていたんだ。 その思いに、僕はさっと青くなった。 こうして夜にわざわざベッドを抜け出してやって来たのも、すべては昼間の天使をもう一度しっかり見たいからだった。 だけどそれはこっそり見たかったのであって、早々に見つかってしまうとは予想していなかった。想定外のことに、僕は動揺した。 急いで登っていた木から降りようとしてーー傍らの天使に、コートの袖を掴まれて固まった。 「ね、逃げないでおくれよ……取って食いなんか、しないからさ。ちょっと、お菓子を食べながらお話しないかい?」 懇願するような声。 天使は、大きな薄茶の目に、じんわり涙を浮かべてこちらを見ていた。 「ね、ちょっとお話するだけだから……ね、お願い」 こてん、と首を傾げる仕草に参った。 僕はカクカクと絡繰人形のように頷いて、窓から家へと入った。

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