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第10話

** 目を開けると、オレはまだ生きていた。  意識を失ったら、死ぬのかと思っていたのに。 「起 き た ?」   悪寒が走る。嫌な声。双子の弟。俺の片割れ。     キ  モ  チ  ワ  ル  イ  。   逃げようとした時、腕が身体についてこない。 「あんまりあの駄犬にくっつくもんだから、もう監禁した方がいいんじゃないかな?」   目が覚めたベッドの上。両手が拘束され、ベッド柵に固定されている。 「・・・・・咲良・・・・!?」   薄汚れて、黴臭い湿った部屋。ここは体育館裏倉庫だ。   ギシギシと軋むベッドは古く、綿埃をかぶって汚れている。きっと廃棄処分されるは筈だったんだろう。 「慣らしてあげるよ。今日は」  少し違うけど、ほとんど同じ顔をした咲良が大きく視界に映った。口元の傷と右頬に浮かぶ青い痣が痛々しい。 「散々にヨガッてもい い か ら さ?」  首筋を舐められ、鎖骨を辿り、胸を撫でられる。そうしているうちに片手はスラックスをトランクスごと脱がせている。  昨日付けられた傷がまた開く恐怖に力んだ。  咲良は胸の突起を甘噛みして、そのまま顔を上半身から離した。 「ひぃああ・・・・」  下半身に湿った生温かい感覚が広がった。くすぐったいような感覚。咲良が俺のを銜えていた。今まで味わったことのない感覚に高く呻いた。 「そんなとこ・・・・・っ舐め・・・・・」  咲良は俺のを銜えたまま、頭を上下に動かした。普段から自分で処理すことはない俺には脳味噌を溶かされるような快感で瞳が潤む。 「咲良っひぁあ――あっ」  先端を丁寧に舐められ、舌先で弄ばれる。昨日の味わったような、何かが遡ってくる熱さ。 「出ちゃうっ!はぁっ・・・・さき・・・・・」  俺の限界を悟ったのか、咲良の動きが速くなる。 「あはッ・・・あ、あ、あ――んん」  びゅくびゅくと、咲良の口内に射精してしまった。 「・・・・・・はや・・・・」  ゴクリと俺の精液を飲みこんだ咲良は馬鹿にするように俺に冷たく笑った。俺は息を切らして暫くは咲良と目を合わせていたが、だるさから目を閉じた。 「い゛ぁ゛・・・・咲良・・・!!・・・・」  長く細い咲良の指が胎内に侵入してくる。ナカを掻き乱す。 「怖い・・・っ・・・痛いっ!」  暴れて縛られている両腕が痛かった。 「咲夜・・・・・」  咲良が子どもを宥めるような口調で俺の名を口にする。 「痛い゛・・・・やめ゛ぇ゛ぁぁぁぁ・・・」  胎内を探られていくうちに、身体が疼き始めてきた。一点が熱くて仕方ない。 「咲夜・・・力抜いて・・・・」 「うあ゛ぁ゛・・・・・」 「まだ入るでしょ?」  胎内を犯す指が増える。ぎちぎちと俺の粘膜の悲鳴が聞こえた。 「もぉ・・・・無・・・・・理だ・・・・・・・・・・・」   痛い。悲しい。憎い。嫌い。   血が繋がってるんだよ、俺達は。   片足を咲良の肩に担がれ、無理矢理の挿入。 「いあああああああああああ!!!!!」 「大丈夫でしょ?何言ってるの?」 「ぃたい・・・・・・っいやだ・・・」  熱い一点を突かれる。甘い痺れを堪えて、痛みに集中する。 「もし壊れちゃったら、一生面倒みてあげるから」 「あぁ・・・は・・・・ん・・・」 「気持ち良いんでしょ?」 「もっと僕を感じて・・・・・・・・・?」 「あ・・・ああ・・・ふぅ・・・・」  男に犯されているのに、快感が生み出されている。痛みだけの方が、まだ救われる。 「どうして欲しい?」  真剣な表情で問う咲良。もう自分とは違う顔立ち。不覚にもかっこいいとさえ思う。 「ひどく・・・して・・・・」  快感なんて感じてたまるものか。 「―――・・・・・・・」

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