7 / 9
第七話
万蔵が布団を敷いてから半刻 、いっこうに伊太郎は部屋に戻ってこなかった。
帰っちまったんだな。まぁ、これで良かったんだ。
万蔵が自分に言い聞かせながら褌姿になり寝ようとすると、立て付けの悪い障子戸がガタリと開いた。
「悪ぃ、手こずってたら遅くなっちまった」
草履を脱ぎ畳に上がった伊太郎は、寝そべっている万蔵の側にかしこまって正座した。
万蔵は安堵したように表情をやわらげる。
「なんだい、帰ったかと思ったじゃねぇか」
「帰るわけねぇだろ。想像してんのと、やってみんのじゃ全然違って……。おいらも、その……布団に上がってもいいかい?」
「ここまできて、嫌だとは言わねぇよ。伊太、早く。待ちくたびれて寝ちまいそうだ」
「万蔵さんっ……」
伊太郎は褌一枚になると、万蔵の隣に勢いよく横たわった。片肘を立てて寝そべる万蔵の首の後ろに手を回す。
「ナリはでけぇのに、子供みたいだな。もしくは犬っころか。手ぇ出すのに気が引けてくらぁ」
「う、うるせぇやい。下膨らませといて何偉そうなこと言ってんだ」
「ばれてやがる。目ざといな。仕方ねぇじゃねぇか。お前の裸、いやらしい目でまじまじと見るのは初めてなんだ」
万蔵は弾力のある伊太郎の尻を揉むと、褌の結び目をほどいた。緩んだ隙間から菊座へと指を伸ばし、皺の一本一本を確かめるようになぞる。
そこはしっとりと濡れていた。洗っただけでなく、すでに薬が塗られているのだろう。
「……っ、おいらだけ、はだけた格好してんの、恥ずかしい……」
「じゃあ、お前も俺の、可愛がってくれ」
せかされ、伊太郎は褌の結び目に手を伸ばした。結び目をとくと、きつそうに納まっていた万蔵の一物 が重々しく飛び出してくる。
あまりの禍々しさに、伊太郎の顔が引きつった。これが尻の穴に入るとは到底思えない。
怯える様子の伊太郎の鬢を、万蔵は優しくなでつけた。
「怖いなら、触るだけでもいいぞ。それだけでもお前とできるなんて、夢みてぇな話だ」
「怖い……確かに怖いけど、もう万蔵さんに抱かれるって、おいら決めたんだ。それに、尻が妙に熱くって落ち着かねぇ」
「いっぺん身体冷えたのに、また熱くなってきたな。どんな薬塗ってきたんだ?」
「穴のとこ麻痺させるのと、中に塗ってよくなる薬だ。その辺で出回ってるのより効果が強いから、絶対に用法は守るようにって、若旦那が」
もぞりと腰を動かした伊太郎に、万蔵は大きく喉を上下させた。一物がまた一回り大きくなる。
「伊太、前を触るのだけじゃ、もう我慢できそうにないか?」
「自分でもわかんねぇ……でも、尻の中が痒くて、うずうずする」
「じゃあ……指だけな。とりあえず、指だけ入れて掻いてやる。弄りやすいように脚抱えてろ」
万蔵は伊太郎の褌を完全に取り去ると、脚を大きく開かせた。いちぶのりを口に含み、唾液と混ざり粘度のある液体になったそれを伊太郎の尻に垂らす。
「痛いことはしねぇから、ただ深く息を吐いていな。力入れたら、入るもんも入らねぇ」
伊太郎がゆっくり頷くのを確認すると、万蔵は菊座に慎重に指を差しいれた。
ともだちにシェアしよう!