98 / 222
第83話
***
先生と思いが通じあって、ニヘニヘと自分でもびっくりするくらい顔が緩んでいるのが分かる。
真紘にも引かれた。
「気持ち悪……」
教室に入ってきて俺を見るなり、第一声がこれだ。
そういう真紘も今日はどことなく上機嫌な気がする。 元々あまり感情を表に出さない真紘だが、なんとなく分かる。
何かいい事でもあったのだろうか。
「真紘も何かいい事でもあったの?」
「まぁな」
「やっぱり!彼女できたの?あ、でも真紘は彼女出来て喜んだ事ないか。ゲームでSSR当てたとか?」
「さぁ?」
はぐらかされたが、絶対に何かいい事があったに違いない。あのゲームにしか興味ない真紘の頬が緩んでいるなんて、 中学からの付き合いだが1度も見たことない。
それよりさぁ、と真紘は自分の首元を指さして言う。
「ボタン閉めた方がいいぞ。 丸見え」
「何が?」
「キスマーク」
一瞬意味が理解できなかった。
キスマーク?俺に?付いてるってこと?
「えぇ?!」
急いでボタンを閉める。
見られた。普通に登校してきたよ!恥ずかしい!
でも、愛されてる証拠なのかな……?だとしたら嬉しい。
もう少し見えない場所に付けてってお願いしようかな。
ともだちにシェアしよう!