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第86話
うーん、と先生は考えて「はぁ……」とため息をついた。
呆れられた……面倒くさいガキだと思われた……
「わかったよ。 茜くん頑張ったし、ご褒美あげる」
「ほ、本当に?」
布団からガバッと起き上がって、先生をキラキラした目で見つめる。
……が、先生はニヤッと笑っている。
まって、騙された!
そう思ったが、先生が行動に出る方が早かった。
まんまとベッドに押し倒され、意地悪そうに唇が弧を描く。
「なんてね。お望みどおり、ご褒美を上げるよ。たっぷり可愛がってあげる」
「騙された!意地悪!鬼!」
「ははっ、満更でもないクセに。 嘘つくなんて悪い子だなぁ。本当は俺に抱かれて嬉しいんでしょ?」
耳元で囁かれ、ピクっと体が震える。 先生の吐息が耳にかかってむず痒い。
その声を聞くだけで、目がトロンとなって、抱かれたくなる。体が覚えてしまっている。
俺はゴクリと生唾を飲んだ。
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