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第90話
「ごめん、わざとじゃない」
「うぅ、ベタベタじゃん」
顔がベタベタして気持ち悪い。
仕返しにチュ、と先生の唇を奪った。舌を押し込むと、先生の舌が絡まってくるが、すぐに離された。
「まずい」
「仕返し」
ベッと不味そうに舌を出す先生が可笑しくて笑ってしまった。
自分の精液の味など知りたくなかっただろうに。
でも満足した。先生のあの顔がまた見れたから。
お風呂に入りさっぱりした。
部屋に戻ると先生が俺のテスト表を見つめている。
何か気になる事でもあるのだろうか。
「このテスト1位の子すごいよね。ほぼ90点以上なんじゃない?」
「あー、うん。一教科だけ100点取ってた」
めちゃくちゃ頑張った俺ですら抜かせなかった1位は、真紘だ。
いつもは手を抜いているが、今回はガチらしい。
どうしていつもやる気がない真紘がやる気になったのかは分からないけれど。
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