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ご褒美1
***
島田 雪斗は頭を悩ませていた。
テーブルの上に並べられた、89、90、95、96、98、100の数字の数々と、ドヤ顔で得意気にしている竜崎 真紘を交互に見た。
この数字の数々……所謂テストというもので、なぜ真紘が高得点を取ったかと言うと、数週間前に遡る。
その日はいつもみたいに俺の家に集まって、クエストを周回していた。
そこで真紘が発した一言が原因なのだ。
『今度のテスト1位取ったら何でも言うこと聞いてください』
『いいよ』
俺は清く受け入れた。
だって、真紘が通う高校は進学校で特に授業が難しいとされている学校なのだ。そんな学校で簡単に1位など取れる筈がない。
そう思い、受け入れたのだが……
全テストが返却され、個人成績表も渡された今日。 俺は講義が午後までだったから、家でゆっくりしていた。真紘は大体俺の予定は把握済みだから、突然家に来るなりドヤ顔で
「楽しみですね」
と意味深な言葉を発し、家に上がった。
まさかな……と思ったが、そのまさかだった。
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