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第101話
「い、いらっしゃいませ! 何名様ですかニャン!」
「3人です」
「かしこまりました!お席にご案内しますニャン!」
は、恥ずかしい!
だけど仕事だし、ちゃんとしないとだよな…
顔から火が出そうなくらい恥ずかしいのに、店長はグッと親指を立てている。
グッジョブじゃないよ!めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど!
どうか友達には見られたくない。
「そうそう、たまにお触りOKだと思って触りに来る人いるから気を付けてね!彼と交代させるから!」
「はい、…え、と…はじめまし、て」
店長が言う彼、とはムキムキのマッチョな人だった。キッチン担当だと思うが… この人も猫耳つけるんだ…
確かに厳ついし、ガタイも良いから触っては来ないだろうけど…
「はじめまして。 キッチン担当の高田です。困った事があったら何でも言ってください」
「あ、はい!」
見かけによらず、とても丁寧な人だった。
人を見た目で判断してはいけないな。
初日は中々に好調だった。語尾にニャンを付けるのも、慣れてきた。…慣れていいものか分からないが。
そんなに忙しい訳でもなくて、おっとりな俺でも付いていけそうだ。それに、人間関係が良い。
従業員は僅か4人。店長と、高田さん、俺とあともう1人アルバイトの子が居るらしいが、今日はお休みだそうだ。
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