136 / 222
第111話
ファッションショーをして俺が選んだ服は、大きめの黒Tシャツ、下に着た白のタンクトップを出して、ズボンは黒のジョガーパンツのモノトーンコーデにした。
大人っぽく見られたいから、基本的に黒の服しか着ない。
7時に神社の鳥居の前集合になった。
わくわくドキドキして早く来てしまった。屋台もたくさん出ていて、人が凄かった。
女の子たちは浴衣を着て、子どもははしゃいで走り回っている。
夏って感じだなぁ。
今日は家から出ないと決めていたのに。
セミの鳴く声も、人混みも、この蒸し暑さも、嫌だった筈なのに。
大好きな人を待つこの時間は、嫌いではない。
待っている間、通り過ぎて行く人にジロジロ見られるんだけど… 俺どっか変なのかな…?
「茜くん?」
「あ、…」
変な所が無いかつま先からチェックしていると、不意に名前を呼ばれた。この声は…
顔を上げると、先生が不思議そうな顔をして立っていた。
と言うか、先生めちゃくちゃカッコいいんだけど!?
黒のスキニーパンツに、白いTシャツ、リングネックレスを付けて、上にはカーキ色のカーディガンを羽織っている。
スタイルが良いから綺麗に着こなしている。どこのモデルだって感じだ。
思わず見蕩れていると、ぎゅっと鼻を摘まれた。
「いたい!」
「ふっ、ほら、早く行こう」
ふふっ、と微笑んで軽く手を引く先生。
何その顔、ズルい…
ともだちにシェアしよう!