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第111話

ファッションショーをして俺が選んだ服は、大きめの黒Tシャツ、下に着た白のタンクトップを出して、ズボンは黒のジョガーパンツのモノトーンコーデにした。 大人っぽく見られたいから、基本的に黒の服しか着ない。 7時に神社の鳥居の前集合になった。 わくわくドキドキして早く来てしまった。屋台もたくさん出ていて、人が凄かった。 女の子たちは浴衣を着て、子どもははしゃいで走り回っている。 夏って感じだなぁ。 今日は家から出ないと決めていたのに。 セミの鳴く声も、人混みも、この蒸し暑さも、嫌だった筈なのに。 大好きな人を待つこの時間は、嫌いではない。 待っている間、通り過ぎて行く人にジロジロ見られるんだけど… 俺どっか変なのかな…? 「茜くん?」 「あ、…」 変な所が無いかつま先からチェックしていると、不意に名前を呼ばれた。この声は… 顔を上げると、先生が不思議そうな顔をして立っていた。 と言うか、先生めちゃくちゃカッコいいんだけど!? 黒のスキニーパンツに、白いTシャツ、リングネックレスを付けて、上にはカーキ色のカーディガンを羽織っている。 スタイルが良いから綺麗に着こなしている。どこのモデルだって感じだ。 思わず見蕩れていると、ぎゅっと鼻を摘まれた。 「いたい!」 「ふっ、ほら、早く行こう」 ふふっ、と微笑んで軽く手を引く先生。 何その顔、ズルい…

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