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第112話

「先生、俺の格好どっか変?」 「そんな事ないと思うけど。なんで?」 移動中も、何故かジロジロと見られている。 なんでだ? 寝癖付いてるとか?顔になにか付いてる?服が変とか? 先生に話すと「あぁ」と短い返事だけが帰ってきた。なんだよ、理由が知りたいのに。 「茜くんは鈍感だね」 「は?なにそれ」 「そんな所も好きだけど」 「すっ?!」 好きとか!こんな所で言うなよ!恥ずかしい! 顔を真っ赤にしていると、ハハッと声を出して笑っている先生。 俺の反応を見て楽しんでいるに違いない。 本当に意地の悪い人だ。 「たこ焼き」 「え?」 「たこ焼き買ってきて」 俺を笑った罰だ。たこ焼きを買ってきて貰いたい。 ブスっとした顔で頼むと、「はいはい」と買いに行ってくれた。 なんだよ… こんな時は優しいんだから。 屋台で買ったものを食べられるスペースがあり、ちょうど空いていたので座って待つ。 離れた所でも先生は目立つ。 背高いな… 確か前に身長聞いた時、180cmとか言ってたような…。 …俺と約10cm差… 同じ男なのにどうしてこんなにも差が出るのか不思議で仕方がない。 はぁ、とため息をついていると 「ねぇ、そこの君」 2人組のお姉さんに声をかけられた。

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