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第116話
約30分間の打ち上げ花火が終わってしまった。
先程までの騒がしさはどこへやら、辺りはシーンと静まり返っている。
もっと見ていたかったな…
花火が終わった後のこの悲しい気持ち。
「…ん、」
しばらくぼーっと空を見つめていたら、不意に唇を奪われた。
また外なのにキスするんだから…
月明かりで明るいが、先生の顔はよく見えなかった。
「もう帰る?それとも屋台に戻る?」
「んー、帰る。先生うち来なよ」
「じゃあ、行こうかな」
たこ焼き食べたし、満足だ。 普通に食べるたこ焼きも美味しいけれど、屋台で食べるたこ焼きは格別に美味しい。
なんでだろうなぁ。
屋台の方はまだまだ人が沢山いて、見ているだけでも目が回ってくる。
静かな夜道を歩く。
楽しかったけど、やっぱり人混みは疲れる。
「泊まってく?」
「ふふ、泊まってほしい?」
「どっちでも」
なんて嘘。本当は泊まって行ってほしい。
分かってる癖にそんな事を聞く先生は本当に意地悪だ。
「素直じゃないなぁ」
「…分かってるクセに」
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