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「ストーカーなんて悪趣味ですね」 「違うから!」 一応否定はする。 でも実際は事実なんだよな… はいはい、ストーカーしてましたよ! だって気になるじゃん!女の子と一緒に歩いてて、俺の事なんてもうどうでもいいのかって思っちゃうじゃん! と言うか、恋人に女の子といる所見られても誤魔化さないんだ… もう俺の事捨てちゃうの…? 「雪斗さん、こいつ俺の妹です。だからそんな悲しい顔しないで」 「え…妹? あ、そうなんだ。…そっかぁ…」 なんだ、妹か…。 浮気されたのかと思ったよ。 ホッと胸を撫で下ろしたのもつかの間、真紘くんの妹がズイッと迫ってきた。 え、なになに?!怖いんだけど… ジーっと全身を見られて、難しい顔をしている。 確かに兄妹って言われたら似てるかも。 もし真紘くんが女の子だったら、妹さんみたいな可愛らしい子になっていたんだろうな、なんて考えていたら自然と頬が緩んだ。 「…好きです」 「……ん?」 妹さんにギュウッと手を握られ、好きと言われる。 えーと、聞き間違いかな? 俺の事が好きだなんてそんな… 中学生から見たら大学生の俺なんてオジサンだし。 オジサンじゃねぇよ! 自分で思った事に自分でツッコミを入れる。 そう、中学生と比べてはいけない。俺だってまだ若いし!ピチピチ度70%だし! 「えぇっと…? それはどういう…」 「私、竜崎 千紘(りゅうざき ちひろ)といいます。 貴方に一目惚れしました。付き合って頂けないでしょうか?」 おっと、これはまずい展開だぞ?

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