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まさか兄の恋人とは思うまい。
妹さん、後ろ見て、後ろ!お兄さんすっげぇ怖い顔して君のこと睨んでるから!
「いやぁ… 俺、付き合ってる人いるから…」
「え…あ、そうですよね。かっこいいですもん、彼女の1人や2人居ますよね」
彼女じゃないし、因みに君のお兄さんが恋人です。
しかも彼女の1人や2人って、俺浮気してんじゃん!ダメだろ!
色々言いたいことはあるが、言い出せなくて困っていると、ベリっと妹さんを引き離してくれた。
相変わらず真紘くんの顔は怖い。
だけど妹さんは話すのを止めない。
「その彼女さんってどんな方なんですか?やっぱり美人ですよね、写真とかあったら見たいです!」
「千紘!いい加減にしろ」
「だって気になるもん!お兄ちゃんだって雪斗さんの彼女みたいでしょ!?」
グイグイくる妹さんに完全に押し負けていて、苦笑いで突っ立っている事しかできなかった。
そんな妹さんに、真紘くんは完全に呆れている。
はぁ、とため息をついて、俺の隣に来て腰に手を回し引き寄せられた。
「雪斗さんと付き合ってるの、俺だから。 お前には絶対に渡さない」
「ま、真紘くん?!」
そんな、一通りが少ないとは言え、全く通らない訳ではいない。ちらほらと隣を通る人は不思議そうに俺たちを見ている。
恥ずかしい、顔から火が出そうだ。
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