「雪斗さん、今日泊めて貰えませんか？ 家帰ったらあいつぶん殴りそうで」 「いいよ」 真紘くんも参っているようだ。 メンタル強そうな真紘くんがショックを受けるって相当だな… やっぱり男同士ってダメなのかな… 俺は元々女の子が好きだったけれど、またまた好きになったのが真紘くんだっただけで、それに思っていた以上に真紘くんの事が好きみたいだ。 知らない女の子と歩いているとストーカーするくらいには。 同じ人間なのに、男か女かでこうも違いが出るとは… いっそ外国に行ってしまうか…なんて考えるが、無理無理。お金ないし、俺は教師になるために大学に入ったのにあの苦労がパーになる。 生きづらい世の中ですなぁ。 こんな時は、美味しいものでも食べよう。 「真紘くん、何か食べて帰ろう！」 「いいですね。 何食べます？」 「アニカフェ行こう！今『魔法少女ルリタン』とコラボしてるでしょ？ ミチルちゃんのパフェ食べたかったんだよね～」 こんな時はオタ活オタ活。美味しいものも食べれるし、大好きなミチルちゃんにも会えるし一石二鳥！ 「俺も行きたかったんですよ！ てか雪斗さんミチルちゃん派？俺は断然ポムちゃんですけど」 「ポムちゃんも可愛いけどさ～！ やっぱりミチルちゃんだよ！アニメ16話で……」 お互いの推しキャラの好きな所を語り合う。 本当の自分を出せるのは真紘くんの前だけだ。一緒に居ると楽しいし、自分を偽らなくていいから楽だし。 何より一緒に居る時間が最高に楽しいんだ。