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「お言葉ですが雪斗さん、それはできません」
「……は…?」
「俺が好きな人は女の子じゃないです。年上でとても頭が良くて、イケメンなのに女っ気がなくて、ゲームが好きで、俺と趣味が一緒で。一緒にいるうちに、惹かれました。ゲームしてると人格変わるし、ネガティブだし、今みたいにウダウダ悩むし面倒くさい所もあるけれど、でもそういう所全部含めて大好きです」
やめろ、バカ…
「俺は、男だから…結婚も出来ないし、子どもも産めない」
「分かってます」
「また気持ち悪いって言われるよ」
「そんなの気にしません」
お前はどれだけ俺を泣かせたら気が済むんだ。
別れられないのは俺の方だ。 真紘くんが居ないと嫌だ。
包まっていた布団を剥ぎ取られ、真紘くんの腕に抱きしめられる。
女の子みたいな柔らかさもないし、体もしっかりとしていて男らしい。
でもそんな彼の胸に抱かれて安心する。好きだなって思う。
「真紘くんっ…本当に俺でいいの…?」
「はい、雪斗さんがいいです」
ニコリと微笑む真紘くんは優しい顔をしていた。
涙でぐちゃぐちゃの顔を愛おしそうに両手で包み、おでこをくっつける。
「好きです、大好き」
「うっ……ぁ、おれも、おれも好きぃ!」
みっともなく泣く俺を優しく抱きしめてくれて、頭をポンポンと撫でられる。
くそ…優しいんだよ…
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