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俺が泣き止むまで抱きしめてくれていて、今は少し落ち着き、向かい合って座っていた。 泣いたから目が腫れると言って、濡れたハンカチで目元を拭いてくれた。 なんて気の利く男なんだろう。 「本当、心臓止まるかと思いましたよ」 「ん、…ごめん」 かなり悪い事したよな… 別れようなんて、本当に心臓に悪い。 すると真紘くんはフフ、と黒い笑みを浮かべ俺をベッドに押し倒した。 ペロッと舌舐めずりをして微笑んでいる。 あ…あれ、俺食べられちゃう…? 「じゃあ、エッチしましょうか」 「え、エッチって…」 「エッチ嫌でした? じゃあ、スケベしようや」 いや、違うんだ。 エッチの言い方が嫌だった訳じゃないんだ。 てかエッチ嫌だったらスケベになるのか。 真紘くんの考えていることはさっぱり分からん。 今日は大人しく真紘くんの好きなようにさせよう。

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