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* あれから数日が経ち、俺は近くのショッピングモールで買い物をしていた。 本屋に寄って、漫画を物色していると 「あ、あの…」 と声をかけられた。 誰だと思い、振り向くとその子とは会ったことがあって。 真紘くんの妹さんだ。 なんだろう… また「気持ち悪い」って言いに来たのかな… それはないか… 「この前は、ごめんなさい。私、頭にきてしまって…」 「え、何か怒らせるような事したっけ」 「いえ、あの… 兄に負けたと思うと腹が立って…。 女の私より、男の兄の方が魅力的なのでしょう?それが嫌で」 あ、あぁ、そういう事ね! 何か怒らせてしまったのかと思ってヒヤヒヤした。 確かに真紘くんは魅力的だけど… 妹さんも十分可愛らしいし、魅力的だと思うけどな。 きっと学校でもモテモテなんだろうな。 「でも、諦めません! 兄に勝ちます!私の方がいいって雪斗さんに言わせて見せます!」 そう宣言して、素早く去って行ってしまった。 その場に残された俺は、ポカンと口を開けて立ち尽くしていた。 ま…まじか… 兄妹で俺の事取り合うとか… 「こんなベタな展開最近のラノベですらねぇよ…」 うわぁ、と顔を赤くし蹲ったのであった。

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