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第128話

「魚食べたくないだけだよね?」 「え、え~、そんな訳ないじゃん」 天ぷらのお魚は交換してもらえた。 お刺身も上げようとしたら止められた。 だってお刺身美味しくない… 残すには勿体無い、しかし自分で食べるのも嫌だ。 なら先生に食べてもらうしかない。 きっとお魚も美味しく食べる人に食べられた方が幸せだ。不味い不味いと言って食べる人になんか食べられたくない。 俺が魚ならそうだ。 「魚食べないと頭賢くならないよ」 「先生が勉強教えてくれるからバカにならないもん」 「ああ言えばこう言う…」 生憎頭はいい方なんだよ。残念だったな。 わかったよ、と言ってお刺身の乗ったお皿を取ってくれた。 わぁ、優しい!なんだかんだ言って、結局は食べてくれるんだよね。 「先生優しい!」 「いや、俺いつも優しいよね?」 うーん、優しいけど… エッチの時のいじわる具合といったらもう… 先生の問いかけに何も答えなかった俺を見て、ニヤリと笑う先生。 あ、やばい… 「今夜が楽しみだね」 「うぅ…」 ほら、やっぱりいじわるだ。 ムスッと先生を睨んで、残りの天ぷらを口に放り込んだ。

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