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第132話
*
「じゃあ、壁ドンしてくれる?」
ニコリと笑うのは、先生のお姉さん…秋月 悠花(あきづき ゆうか)さん。
旅行から帰るなり、すぐに先生の家に呼び出された。
そこには先生のお姉さんもいて、ニコニコと笑って出迎えてくれた。その隣の先生の顔は死んでいた。
「なんで俺らがこんなこと…」
「旅行行ったよね?私の金で行ったよね?」
先生がボソリと呟くと、お姉さんは冷ややかな視線で先生を見る。
ビクリと震えて、「なんでもないです…」と縮こまっていた。
仕方なく、壁に手を付き壁ドンをされる。
うわぁ、イケメンが目の前にいる!かっこいい!先生!
先生は嫌々かもしれないけど、俺は結構嬉しかったりする。
こんな機会なかったら壁ドンとかしてもらえないし。
「なんか嬉しそうだね…」
「え、そうかな?」
そりゃあ嬉しいだろう。
俺は女の子じゃないけど、壁ドンされたら普通に嬉しいしドキドキする。
女の子がキャーキャー言う理由がわかった気がする。
「そのままキスしてもいいのよ?」
「悠花は黙ってて」
「資料は喋るな」
ピシャリと言い放ち、スマホで写真を撮っている。
お姉さんは同人誌?とかいう本を書いていて、その資料が欲しかったらしい。資料のモデルを探していたところ先生と俺の身長差、体格的にちょうど良かったらしく旅行券をプレゼントする代わりに、モデルになって欲しいという話だった。
同人誌って聞いたことあるけどまだよく分からない。真紘とか雪斗さんなら詳しそうだけど。
と言うか、モデルが男2人でいいのかな?男女じゃなきゃ資料の意味なくないか?
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