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第139話

拓馬くんに宿題を手伝ってもらうこと約2時間。 半分以上あった宿題がほぼ終わってしまった。すごい。教え方上手いし、丁寧で優しい。 先生の教え方も上手いけど、拓馬くんも上手いんだよな。 先生がこの事聞いたら怒るかもしれないけど、先生に教えてもらうとドキドキしてしまって勉強所ではないのだ。 だからこんなにも捗らなかったと思う。 拓馬くんに頼って正解だったのかもしれない。 でも、さっきからすごいくっ付いて来るし、手も握られている。拓馬くんいい匂いするし、全然気にしないんだけど。たぶん俺の事をマスコットか何かだと思っているんだろうな。よく言われるんだよ。 「これが終わったら何か食べに行こうか」 「うん!行く行く!」 気づいたら1時を回っていた。 お腹空いてるはずだ。ご飯も食べずに付き合わせちゃって悪い事しちゃったなぁ。 「あれ?茜くんだ」 不意に、聞き覚えのある声が後からした。 この声は大好きなあの人。 振り返るとそこには先生がニコリと笑って立っていた。 今日もかっこいいです。 「先生、偶然だね」 「ほんとにねー。夏休みの宿題やってたの?」 「そうだよ!もう終わるけどね」 先生にはバレないようにしたい。浮かれて宿題放置だなんて、怒られるに決まっている。 怒られる前に片付ける。いい案だと思う。 「言ってくれたら俺も付き合ったのに」 「え、あはは。いつも先生に頼ってばかりだとダメだと思って、今日は拓馬くん…先輩と一緒にやってたんだ」 誤魔化したが、まぁ間違ってはいない。これも本当だし。 さっきから拓馬くんが先生の事を無言で見つめているけれど、どうしたんだろう。 まさか、かっこいいから惚れたり…?! た、確かに俺よりも、天使な拓馬くんとイケメンな先生がカップルになったら絵になるけれど… でもでも!絶対譲らないから! 「そうだ、宿題頑張ったみたいだし、どこかご飯でも食べに行く?お腹空いたでしょ、奢るよ」 「え、いいの?」 「いいよ。ご褒美だと思って。えーと、拓馬くんも一緒にどうかな?」 「じゃあ、お言葉に甘えて」 ん?なんか先生と拓馬くん、お互い見つめあっていい感じ…? まって、俺の疎外感半端なくない?

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