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第140話

微妙な空気のまま、近くにあったファミレスに入った。 机には、俺の隣に拓馬くん、向かいに先生が座っている。 うーん、なんか先生機嫌悪い? 拓馬くんもいつもと雰囲気が違うような…? とりあえずメニュー表を広げる。 「好きなの選んでいいよ」 「ほんと?じゃあ俺チーズINハンバーグ!」 ファミレスに行ったらいつもこれを頼むな。量が丁度いいし、お手軽に食べれる値段だし。 拓馬くんはチーズINハンバーグにエビフライが乗ったものを頼んでいた。 先生はハンバーグの上に目玉焼きが乗った、てりたま?みたいなやつを頼んだ。 このくらい俺だって作れるのに… オーダーを取りに来たお姉さんが顔を真っ赤にしていた。 そりゃあイケメンと天使がいるんだ、顔も赤くなる。これで顔が赤くならない人はいないだろう。 「茜、宿題最後までやる?後は出来るかな?」 「うん、拓馬くんのお陰でだいぶ捗ったし、後は自分で出来るよ!ありがとう!」 「どういたしまして」 ニコリと笑う拓馬くんは本当に天使。キラキラ輝いて見える。心なしか羽も見てるぞ。 あれ、なんか先生の顔が引きつってる。ほんとにどうしたんだ? 「先生、大丈夫?」 「うん、大丈夫だよ」 えぇ、本当に大丈夫なのか? 心配していると、料理が運ばれてきた。 ジュージューとお肉が焦げる音が食欲をそそる。すごくお腹空いてたから余計美味しそうに思える。 暫くして2人の料理も運ばれてきた。 いただきます、と手を合わせて食べ始める。 拓馬くんの料理のボリュームがすごい。食べ切れるのかな?というか、天使の食事シーンとか滅多に見れないのでは?! あまり見たら食べずらいだろうから、チラチラ見ることにしよう。 ハンバーグをナイフで切ると、中からトロリとチーズが出てきた。 すごいな、どうしたらこんなにトロトロにチーズが出てくるんだろう。 パクリと一口食べると、肉汁がジュワッと口の中に広がってとても美味しかった。これ600円で食べれるんだよ?!信じられないよね!

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