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第162話

今にも溢れそうな涙を目に溜めて、一人ドボドボと重い足取りで歩いていく。 とにかく悲しくて、悔しくて、でもどうにも出来ない。 体操服どうしよう… お母さんに怒られてしまう。かと言って本当の事を話したらすごく心配するだろうから言い出しにくい。 もうすぐバイト代入るからそれでなんとかしよう… そしてふと思った。このイジメはいつまで続くのだろうと。 すぐに飽きてくれれば良いが、卒業するまでずっと続いたら流石に精神的に持たない。 助けてくれる人なんて… 「茜くん発見!どうしたの?浮かない顔して」 「?! 先生?!」 突然後から抱きつかれて、びっくりして転けそうになった。危ない…。 そして自分の置かれている状況に気づき、咄嗟に言い訳を考える。 サボったと思われたら困る。サボり…?なのかもしれないけど、違う! 「や、あの、先生これは違くて…」 「ねぇ、お腹空いちゃった。ご飯食べに行こうよ、奢るからさ」 「え、えぇ?!」 話している途中なのに、腕を引っ張って連れていかれる。 事情を察してくれた…?のか?とにかく助かった。

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