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第163話

それから少し高めのランチを食べさせて貰い、今は一緒に映画を見ている。 動物のコメディ映画で、なかなか自分では見ないジャンルだったので結構面白い。 主人公が敵に攫われて、主人公の結婚相手が助けに行くなんてすごく斬新なストーリーだ。 いつもはホラー映画ばかりだから、たまにはこういうほのぼのしたのもいいかも知れない。 見たいと言っていた本人は寝ているけど。 「面白かったね」 「先生、開始10分で寝てたのに面白かったの?」 「聞いてたの。確か、主人公の結婚相手が攫われるんだっけ?」 「違う。主人公が攫われて、結婚相手が助けに行くの」 「へぇ、あの女の子強いんだねぇ」 「見てないじゃんか」 思わず笑ってしまう。あの何でもできる先生の可愛い一面を見れて、なんだか嬉しくなってしまう。 悲しかった気持ちなんて吹き飛んでいて、先生と居る時間は幸せだった。 「そうだ、明日休みだよね?俺の家泊まる?」 「いいの?」 「いいよ。部屋汚いから茜くんに片付けてもらおう」 「また?いい加減自分で片付けなよ」 そんな事を言いつつも内心嬉しかったりする。なんだか同棲しているみたいでドキドキするし、俺だけが先生の特別なんだって思える。

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