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第166話

部屋が綺麗になり、やっと寛ぐことができた。 先生がお茶を持ってきてくれ、有難く頂いた。 「床が見えたの何ヶ月ぶりだろう」 「せめてプリントくらい纏めようよ…。それだけでかなり違うと思うよ」 「うーん…。でも部屋が綺麗になったら茜くんが片付けに来てくれなくなるじゃん」 え、なにそれ…。俺に片付けて貰うために散らかしてたの?なんか複雑な気持ちだ…。 と言うか、家に誘うの下手くそか。遠回しすぎるだろ。 「別に部屋を片付ける以外でも来てもいいけど…」 「本当? じゃあ週4くらいで来て」 「それは無理」 週4って、俺の家庭教師のバイトが週3なのにそれより多いってどんなだよ。 そもそも先生はそんなに暇じゃないから、家に行っても会えない日がありそうだな。 大学生って大変なのに、家庭教師にも来てくれて、俺の相手もしてくれて。だけど自分の事もしないといけない。 そう考えると先生は少し頑張りすぎな気がする。ちゃんと休めているのかな? 「先生、少し休憩しよう」 「今してるけど?」 「違うよ。先生が休むの!頑張りすぎだから休まないとダメ」 「そういう事ね。でも俺なんてまだまだ…うわっ!」 話している途中だったが、先生の腕を引っ張って寝室に連れて行った。 先生にベッドに寝てもらい、俺もその隣に寝転ぶ。

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