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第168話
「茜くん可愛い!!」
「な、なに、急に…」
「本当に俺の事好きだよね。俺も茜くん大好きだけどさ」
「なっ?!そんな、こと…ない…」
なんだよ、急に!そりゃ、好きでもない人とこうしてイチャイチャしたりしないし、エッチだって、先生だから受け入れられるんだと思う。
好きだけど、つい反射的に否定してしまった。
これだけは否定してはいけない。
「俺の事、嫌い?」
「……す…好き…です…。嘘ついて、ごめん…」
「あー、俺傷ついたなー」
絶対嘘じゃん。その棒読みは傷ついてないだろ。
と言うか、先生は俺が嫌ってない事くらい分かっていただろ。
何か企んでる…?
「俺、どうしたらいい…?」
「んー、じゃあ…」
どうせまたエッチなお願いとかなのだろう。
そう思っていたのに
「茜くんが今悩んでる事話して」
「え、悩み…なんてないよ」
バレてる… よね。 俺の様子を伺っていたのかな。
でも、学校での事なんて先生に話しても…。助けてくれる訳じゃないし…。別に助けて欲しいとも思ってないけど…。
「嘘だ。学校で何かあったでしょ。じゃないとあんな時間に居ないだろうし。茜くんはサボるような子じゃないもん」
「……先生には適わないな…。分かった、言うよ」
もう隠すのは諦めて、先生に話すことにした。
悩みを聞いてもらうだけ。助けてなんて言わないつもりだ。学校の事なのに先生を巻き込むのは良くない。
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