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第171話
***
結局「俺が助けてあげる」という意味は分からなかった。
何度聞いても話を逸らされる。
本当は助けてくれないのは分かっていたけど、期待するような事を言う先生も悪いと思う。
「茜、本当に学校に来て大丈夫なのか?」
「うん、もう大丈夫だよ」
「やっぱり学校に相談した方がいいんじゃない?」
「でも、暴力を振るわれたわけじゃないしさ…。それに、証拠がないから」
真紘も心配してくれているようで、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
今日は何もないといいけど…。
上履きは持って帰ったし、クラスの皆もあの体操服の件から教室はしっかり施錠すると話し合ってくれたらしい。
「靴箱開けるの怖いな…。変なの入ってたらどうしよう…」
「俺が開けてやる。 ……うん、変なのというか画鋲が大量に入ってる。どうするよ、これ」
「貰っていいのかな?俺袋持ってるよ」
「んじゃそれに入れるか。その前に写真撮っておこう。証拠になるかも」
案の定、靴箱の中には大量の画鋲が入っていた。
よく酷いイジメの漫画に出てくる、生き物の死体とか、生ゴミとかじゃなくて良かった。
それと比べると画鋲なんてまだいい方だ。
それにしても、この画鋲はわざわざ買ってきてくれたのだろうか。だとしたら返さなくて大丈夫なのかな。
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