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第178話

「こら!一人で行動するなって言っただろ!」 「なんで一人で行ったんだよ!」 「しかも上履き取られるとか!!」 教室に戻ると、一人で行動する事を禁止されていた茜は、クラスメイトから説教された。 しかもさっきまで履いていた上履きではなく、来客用の緑色のスリッパに変わっていたものだから、これについても詳しく話せと咎められた。 「『これからは絶対に一人で行動しません』はい!復唱して!」 「こ、これからは絶対に一人で行動しません……」 そして、意味の分からない復唱をさせられ、これからは茜の行動を見張ると言う。 保健室までの距離ならいけると思ったんだけどな……。なんて今のこの空気で言える訳ないけど。 二限目のチャイムが鳴ると同時に入って来たのは国語教師の三村と、秋月先生だった。 「はい、今日から教育実習生の秋月先生も一緒に授業します。せっかくなので、秋月先生に質問ある人?」 三村からの無茶振りに先生は苦笑いを浮かべていた。 はーい!と活発な女子生徒は手を挙げて、口々に質問しているが、一人ずつじゃないと聞き取れない。 「はい!先生の彼女ってどんな人!?可愛いのー!?」 「可愛いよ」 「どんな所が好きなの?」 「全部かな」 あまり質問の答えになってないが、女子たちはキャーキャー悲鳴を上げていた。 ふと先生と目が合い、ふんわりと優しく微笑まれて、無事俺は死亡。 あの顔は反則!かっこいい!好き!!という気持ちを抑えて平気な顔をするのは中々難しい事だった。

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