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第6話
「もしかして、俺?」
「え、」
バレてた……? 抜いてる最中先生の名前呼んじゃってた気もしなくもない…… もしかして聞こえてたとか?!
どうしよう、どうしよう、嫌われるのは嫌だ!
頭が真っ白になって、何も考えられない。何か言い訳を……
「冗談で言ったんだけど、本当なんだ。 わかりやすいなぁ」
「……え?冗談、?」
最悪だ、自分で墓穴掘った……
そうだよな、今思えば否定すれば良かったのに… でも否定したら先生を傷付けてるような気がして否定できなかった。
「先生……、俺の事気持ち悪いよね……」
「気持ち悪くないよ」
「……誰にも言わないで、お願い…」
先生はほかの人にペラペラ喋ったりする人ではないと思うけど、もしそんな事をを言われたら俺は一生引きこもりになるか、最悪自殺を選ぶ。
「誰にも言わないよ」と言ってくれると信じていたのに。
先生の口から出た言葉はあまりにも突飛で、俺は自分の耳を疑った。
「茜くんが俺の言うこと聞けたら言わない」
ニヤッと笑うその顔は、今まで見てきた優しい先生の顔じゃなく、この状況を楽しんでいるかのような意地悪そうな顔だった。
俺はとんでもない人を好きになってしまったのかもしれない。
「約束、できるよね?」
ニッコリ笑顔の先生がなんだか怖くて、つい首を縦に降ってしまった。
クスッと笑って、じゃあ……と口を開いた。
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