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第30話
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「ねぇ、お家デートって何するの?」
俺の前に座っている友達、竜崎 真紘(りゅうざき まひろ)に問う。
彼はモテ男だ。 顔がいい、頭もいい、背はそれ程高くはないが、優しいし、顔がいいのでモテる。
そんな彼のデート事情を聞き出したい。
「お家デートか…… まぁ映画見たり、ゲームしたり? あとはイチャイチャしてって感じ。 なに?お前彼女でも出来たの?」
「そんなんじゃないけど。 ちょっと興味あっただけ」
「ふーん…?」
真紘は怪しい、という目で見てきたが無視した。
やっぱり映画見たりゲームするんじゃん。何がお子ちゃまなんだよ……
「お家デートするのか?」
「んー、映画見たり、ゲームしたりするんでしょ?って言ったらお子ちゃまって言われた」
「あぁ、それに気づけてない時点でお前はお子ちゃま」
「なにそれ?お子ちゃまじゃないし」
なんだよ皆して、お子ちゃまお子ちゃまって。
分かんないんだから教えてくれてもいいのに、真紘は「自分で気づいた方がいい、俺の口からは言えない」と断られた。
先生に直接聞くのは止めておこう……。
こうなったら自分で考えるしかないな。
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