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第34話

「……あれ、いつの間にか囲まれてんだけど。 茜の知り合い?」 「あー、うん、まぁ」 「ごめんね、邪魔して。茜くんの家庭教師の秋月っていいます」 「あ、お構いなく。俺ゲームしてるんで茜連れてってくれてもいいっすよ」 「真紘?!」 真紘の野郎、さては俺が邪魔だったな? ゲーム中に話しかける俺も悪い……悪くねぇだろ、何のために俺と来たんだよ。 一緒に青春する為だろ!(?) 「ほんと?よかったー」なんて言っている先生。 俺に用事でもあったのだろうか。ならLIMEしてくれたらよかったのに。 「あ、俺もそのゲームやってるよ。 レベルいくつ?俺300なんだ~」 「マジすか!上限じゃないすか!俺290っす! じゃあ共闘行きましょ! 闇の大王ってとこ!」 「おけおけ、任せて」 あれ、なんか2人意気投合してる……。 真紘と一緒に共闘行けるくらいだからこの人もだいぶやり込んでるんだろうな。 レベル300とか聞いたことがない。 相当のゲーマーなんだろう。 「って事だから悠誠、俺この子と一緒に居るから」 「わかった。 じゃな、ユッキー。 茜くん行くよ」 「ばいー」 「俺も?!」 半ば強制的に引っ張られ、席を立つ。 慌てて飲みかけのフラペチーノと鞄を持った。 去り際に真紘が「茜、がんば」グッと親指を立てられた。 真紘……がんばじゃねぇよ!

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