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第43話

*** 来週の土曜日、お家デートする事に決まった。 楽しみだな、と心踊らせているとペシっと軽く頭を叩かれた。 「集中しろ」 「はい……」 お家デートすると言っても毎週、月、水、金の3日間は家庭教師として先生が来てくれる。 本日は水曜日。丁度先生と一緒に勉強しているところだった。 今日の科目は現国なのだが、どうもやる気になれない。 現国は苦手だ。相手の考えていることを予想して答えないといけない。それに答えが1つじゃないのも苦手な理由の1つだ。 俺はどちらかと言うと、数学とか社会とかの方が得意だ。数学は答えが決まっているし、社会は暗記すればいい。 そう言えば先生は国語教師を目指してるんだっけ。 教師を目指しているだけあって、教えるのはすごく上手いと思うし、飴と鞭の使い方をよく知っている。 「長い眠い」 「こら、そんな事言わない」 あと1時間以上あるじゃん…… 今日はいつもより眠い気がする。 すると、目を覚ますかのように俺のスマホが振動した。 電話のようだ。 「母さんからだ、なんだろ」 相手は母からだった。 滅多に電話を寄越さない母からの電話。何かあったのだろうかと恐る恐る出た。

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