43 / 222
第43話
***
来週の土曜日、お家デートする事に決まった。
楽しみだな、と心踊らせているとペシっと軽く頭を叩かれた。
「集中しろ」
「はい……」
お家デートすると言っても毎週、月、水、金の3日間は家庭教師として先生が来てくれる。
本日は水曜日。丁度先生と一緒に勉強しているところだった。
今日の科目は現国なのだが、どうもやる気になれない。
現国は苦手だ。相手の考えていることを予想して答えないといけない。それに答えが1つじゃないのも苦手な理由の1つだ。
俺はどちらかと言うと、数学とか社会とかの方が得意だ。数学は答えが決まっているし、社会は暗記すればいい。
そう言えば先生は国語教師を目指してるんだっけ。
教師を目指しているだけあって、教えるのはすごく上手いと思うし、飴と鞭の使い方をよく知っている。
「長い眠い」
「こら、そんな事言わない」
あと1時間以上あるじゃん…… 今日はいつもより眠い気がする。
すると、目を覚ますかのように俺のスマホが振動した。 電話のようだ。
「母さんからだ、なんだろ」
相手は母からだった。 滅多に電話を寄越さない母からの電話。何かあったのだろうかと恐る恐る出た。
ともだちにシェアしよう!