51 / 222
【番外編】箱の中身1
***
誕生日の日にオフとは、あのマネージャーもやってくれたものだ。 ご親切に今日、明日と2日間休みをくれている。
2日まとめて休みを取るのは大変な事だ。 前々から2日休みにしようとスケジュールを上手く調節してくれていたのだろう。
しかし、俺だけ休みでも何もすることが無い。
アイツは夕方まで仕事で、弟の家に寄るとか言って未だに帰ってこないし。
時間は7時前。 もうそろそろ帰ってきてもいい頃だと思うが。
誕生日の日に俺を一人にするなんて、なんて男だ。とつくづく思う。
「ただいま~」
「……おかえり」
ガチャ、とドアを開けて陽向が帰ってきた。 大量の荷物を持っている。
ソファに座る俺の隣に座って、軽くキスをする。 おかえりなさいのキスだ。
「寂しかった?」
「……別に」
「やっぱり拗ねてた。可愛いなぁ」
別に拗ねてないし。
少し機嫌が悪いだけ。お前がこんなにも待たせるからだ。
ふと、陽向が持って帰ってきた荷物に目をやる。 俺の好きな店のプリンも買ってきてくれている。
その中でも、他の荷物は袋に入っているのに一つダンボールの箱だけが袋に入ってなかった。
なんだろう、あの箱。
ともだちにシェアしよう!