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【番外編】箱の中身1

*** 誕生日の日にオフとは、あのマネージャーもやってくれたものだ。 ご親切に今日、明日と2日間休みをくれている。 2日まとめて休みを取るのは大変な事だ。 前々から2日休みにしようとスケジュールを上手く調節してくれていたのだろう。 しかし、俺だけ休みでも何もすることが無い。 アイツは夕方まで仕事で、弟の家に寄るとか言って未だに帰ってこないし。 時間は7時前。 もうそろそろ帰ってきてもいい頃だと思うが。 誕生日の日に俺を一人にするなんて、なんて男だ。とつくづく思う。 「ただいま~」 「……おかえり」 ガチャ、とドアを開けて陽向が帰ってきた。 大量の荷物を持っている。 ソファに座る俺の隣に座って、軽くキスをする。 おかえりなさいのキスだ。 「寂しかった?」 「……別に」 「やっぱり拗ねてた。可愛いなぁ」 別に拗ねてないし。 少し機嫌が悪いだけ。お前がこんなにも待たせるからだ。 ふと、陽向が持って帰ってきた荷物に目をやる。 俺の好きな店のプリンも買ってきてくれている。 その中でも、他の荷物は袋に入っているのに一つダンボールの箱だけが袋に入ってなかった。 なんだろう、あの箱。

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