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第82話
本気……なの……?
俺の事が好き……?
「俺の好意に気づかない鈍感な所も、自分より相手の事を優先する優しい所も、本当は頑張り屋さんな所も、全部好き」
「……ほんと?」
「本当。こんな最低な嘘はつかないよ」
先生は困ったように笑う。
本当に俺でいいのか……?という疑問より、嬉しいという気持ちの方が勝った。
涙が溢れて、止まらない。
先生は手元にあったティッシュで俺の涙を拭いてくれた。
「俺と、付き合ってくれる?」
「うぅ……もちろん…!」
泣いている俺をぎゅっと抱きしめてくれる。 先生の体温を感じて、夢じゃないんだと確信した。
こんな幸せな事があっていいのだろうか。
チュ、と触れるだけのキスをして二人で笑いあった。
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