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待ち合わせ1

*** 竜崎 真紘は鏡と睨めっこをしていた。 いつもはあまり気にしない服装もお洒落なものを選び、寝癖が付いていないか入念にチェックしていた。 なんたって今日は真紘にとってとても大切な日だったから。 スマホゲームのチャットで意気投合した女性と会う約束をしたのだ。しかも住んでいる県、場所まで近くて……もしかして運命なのでは?と期待している自分がいる。 『リュウさんへ 日曜日の3時、駅前の熊のオブジェの前で待ってます』 『リュウ』というのは俺のプレイヤー名だ。 家を出て、駅前の熊のオブジェ前に着いた。待ち合わせ時間より30分も早く着いてしまった。ソワソワして居ても立ってもいられなくて、早めに家を出た。それに女性を待たせるなんて失礼だ。 ドキドキしてきた…… 未だかつて、女性と会うのにこんなにドキドキした事はないだろう。 「真紘くん?」 名前を呼ばれ、振り向くとそこには雪斗さんが立っていた。 少し顔が引きつっている。俺に会いたくなかったのだろうか。 「待ち合わせ?」 「まぁ、そんなとこっす。 雪斗さんも待ち合わせですか?」 「うん、まぁ……」 この会話以降、無言が続く。 普段は仲良いが、今日はあまり知り合いに会いたくなかった。出会い厨とか思われたら嫌だな。 すごく気まずい。 頼むから早く来てくれ、『ユッキー』さん!

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