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しかし待ち合わせ時間の3時を過ぎても『ユッキー』さんが現れることはなかった。
何故だ、俺もしかして遊ばれたのか?
不安になりスマホゲームのアプリを開く。
『ユッキー』さんからメッセージが届いていた。
『熊のオブジェ前に着きました』
は?着いてる? 周囲を見渡すが、女性の姿は見えない。しかも熊のオブジェ前に居るのは俺と雪斗さんだけ。
……まさかな。
試しにメッセージを送ってみる。
『俺も熊のオブジェ前に居ます』
雪斗さんはスマホの画面を見つめて困惑しているようだった。周囲を見渡して、待ち人を探す仕草をしている。
……おいおい、冗談だろう?
「雪斗さん……まさか『ユッキー』さんじゃないですよね?」
「え?!なんで俺の名前…… もしかして『リュウ』さんって!?」
まさかの雪斗さんが『ユッキー』さんだと分かり、一気に安心した。さっきまでガチガチに緊張していたのが嘘みたいだ。
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