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《first contact 4》

 ただ心配なのは、成海がどういった人間なのかが分からないことだ。  もし須藤に取り入るような真似をし、邪魔になるようならば、排除することも視野に入れておかなければならない。  例え須藤に恨まれることになってもだ。  真山にとって須藤は絶対的な存在だ。須藤に少しでも害をもたらすものは一掃しなければならない。何に置いてもスムーズに仕事をして欲しい。それが真山の仕事と言われればそうなのかもしれないが、本心から仕える須藤の為というのが本音だった。 「真山、余計なことは考えるな」 「はっ……申し訳ございません」  真山の考えてることは全てお見通しとばかりに、須藤の鋭い眼光が向けられる。 「お前に心配されるようではな」  不興を買ったのではと、真山の背中には冷たい汗が流れ落ちていく。 「出過ぎた真似を致しました。申し訳ございません」  深々と主に頭を下げる真山だったが、須藤からは怒りという気を感じず、真山は思わず顔を上げてしまった。

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