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《七夕 4》
「ダメだって……」
佑月とて本当は早く挿れて欲しい。しかも須藤の熱い吐息が首筋にかかり、その熱は更に高まっていく。
「真山まだか? 急げ」
「かしこまりました。あと五分で着きます」
密閉された空間に真山の声だけが響き、それは直ぐに遮断される。後ろで何をしているのかはきっと真山にバレてしまっているだろう。でも今はその羞恥を感じている暇など佑月にはなかった。
部屋へ入ると2人はもつれ合うようにお互いを求める。意識が何度も吹っ飛ぶほどに須藤に攻め立てられ、佑月は快楽に沈んでいった……。
「七夕……」
佑月が朦朧としたなかで呟くと、須藤は聞き取れなかったのか少し眉を寄せた。
「今日……七夕なんだよ」
「七夕?」
「そう。雨の日は2人は会えないんだと思ってたんだけど、違ったんだ」
須藤の腕の中でぐったりと身を寄せている佑月が唐突な話を始めたにも関わらず、須藤は先を促すように佑月の腕を優しく撫でる。
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