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《須藤birthday SS2》
『須藤くん! 君ね、やる気あるのかね!』
『誰に物を言っている』
『だ、誰って……須藤くん、君しかいないだろうが!』
「ぷっ……ククク……」
佑月は頭の中で勝手にキャスティングする。相手は五十代の部長で須藤は平 だ。絶対あり得ない設定だからこそ、佑月はツボにはまり、思わず声を出して笑う。
『だいたい君は協調性に欠ける! ワンマンではやっていけないのは分かるだろうが』
『周りは使えない人間ばかりだからな』
『な、何だと!? けしからん! クビだーーー!』
『お前の首も明日飛んでるだろうな』
ニヤリと不敵に笑う須藤に、部長は背筋が凍り付く……。
「あはは! ヤバっ! あんなのが平でいたら上司は大変だ。そもそも仁が平とかあり得ないもんな」
佑月は珍しい程に朝から声を上げて笑う。
「クク……あんなのが同僚でも嫌だけど……あはは……もう、ダメ……腹が捩れそう」
ベッドの上で腹を抱え、平の須藤が浮かぶ度に笑いの地獄へと落ちていく。
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