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《須藤birthday SS 3》
「おい佑月、何を騒いでるんだ」
ノックもなしにドアを開けるのはいつものこと。顔を覗かせた男の顔を見て、佑月は更に噴き出すように笑った。
「あはは……ちょ……マジで、今やめて……」
ベッドにうつ伏せになって佑月は懸命に笑いを堪えるが、堪えようとすればするほどに、余計に笑えてくる。
須藤が近付き、ベッドの端に腰を下ろしたことが佑月に分かった。高級マットレスのため沈むことはないが、須藤の存在感というものは、見なくても肌で感じてしまうのだ。
「お前がそんなに笑うなど、珍しいな。何がそんなにおかしい」
須藤の手が佑月の腰を撫でる。しかし今の佑月は笑いのツボにどっぷりとハマってしまっている。ゆえに、何をされても笑えるだけだった。
「う、うん……ちょ……ちょっと待って……」
「そんなに笑ったら死ぬぞ」
佑月に相手してもらえないことが不満な須藤は、佑月の腹に右腕を差し入れると、そのまま身体を抱え上げた。
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