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《須藤birthday SS 4》

 背中から抱きしめられる形で、佑月は須藤の腕の中に閉じ込められた。 「そろそろ、何を笑ってるのか教えろ」  佑月の耳の後ろを、須藤は高い鼻先で擽る。ぞくりと甘い痺れが走り、佑月の笑いが少しずつ収まってくる。 「怒らない?」 「怒ることなのか?」 「う~ん……もしかしたらムッとするかも……フフ……」  思い出して少し笑う佑月。  平のくせに高級スーツを身につけて、王者の風格を漂わせる。若い女性社員は、上司よりも須藤に美味しいお茶を入れるだろう。 「いいから、言え」  そう言って須藤は佑月の耳をゆっくりと舐め上げていく。 「あっ……ちょ、くすぐったいからやめろよ」    佑月は身を捩りつつ、腕で須藤を押しやる。すると何故か須藤にスイッチが入ってしまった。佑月のシルクのパジャマの中に、須藤の手が滑り込んできたからだ。腹を淫靡に撫で上げると、指は徐々に上へと滑っていく。 「じ、仁……? あ……ダメだぞ……仕事」  やめさせようと、佑月は須藤の手を掴むが、須藤が大人しく言うことを聞くわけがない。

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