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40. 主従喧嘩2

「帰りたくないならこのまま家へ持ち帰る。構わないな、風吹?」 えっ?と思っている間に、肩に担がれる。 「それは良い考えです。狭いところですが、どうぞご気兼ねなさらないよう」 「えっ?2人で一緒のとこ…」 2人で暮らしてるのか? それじゃあやっぱり2人は…… 「そんな、悪いよ。愛の巣に…」 「風吹様!?なんて、おぞましいことを…」 「なんと恐ろしい…いや、恐れ多いこと」 何故そこで2人、身震いをする……。 「職務上必要であるから住居を共にしているだけです。中川はただの執事───いえ、今はただの秘書です」 「春子様がお一人で家事や身の回りを出来る方なら、私も一人暮らしが出来るのですが」 「まあ!私だって家事ぐらいできます!」 「洗濯と言うのはクリーニングに出す行為ではありませんよ。それに、春子様にでこぼこした男爵芋の皮が剥けるとはとてもとても」 「やれば私だって出来るのです。いつも中川が先にやってしまうから…」 「切り身の魚しか触ったことのないお嬢様に、真アジのはらわたを取り除くことができますか。頭を切り落とさなければ、包丁を持った春子様をその死んだ目でじっと見つめてきますよ」 「そんな、ことは……、必要に応じて、出来るようになる…ものです…」 あーもうっ、高虎なに春子さんのこと苛めてるんだよ。 春子さんは、真アジに見つめられることを想像してしまったんだろうか。少し青い顔をしている。 高虎を止めなきゃとか、このグッと腰を押さえてくる腕をどけてほしいとか、もう下ろしてくださいとか、言いたいことは色々あるけれど……。 ───誰かこの2人を止めてください!!

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